難聴の子を持つご両親へ | 50dBの世界

難聴の子を持つご両親へ

あなたの子供が、もし難聴であった場合、一つの選択を強いられる事と思います。「障がい者として扱い、ろう者や聴覚障害者と交流させ、手話を習得し聾学校に進ませる」のか、それとも「健常者として扱い、ある程度の矯正以外は普通学校に進ませる」のか――様々な意見をこれから沢山聞く事になると思いますが、私は後者をお薦めします。

やがて成長したその子は自ら社会に出て、働かなくてはなりません。そして結婚し、親になる時が来ます。その事を考えれば、早い段階から自分の耳を自覚させ、手話の使えない一般健常者との会話の難しさを肌で感じ取り、どの様に対処すれば良いのか、学びとってもらわなければなりません。聾学校の場合、閉塞的な環境の中で育ってしまい、社会に溶け込む事が非常に困難になる場合があります。

社会はまだまだバリアフリーとは程遠く、手話の使える人など本当に少数です。私はまだ軽度なので普通学校で十分にやっていけましたが、ろう者とまでは行かなく、更に重度な70dB程となると微妙な選択となるかと思います。でも、それでも普通の人として扱い、聞こえない事を肌で感じさせて欲しいと思います。全く聞こえないろう者ともなると、それはもちろん聾学校の選択の方が正しいでしょう。ですがあなたの子供は難聴です。大きな声で話し、思いっきり会話してください。そして、必ず読書を習慣づけるようにしてあげてください。読書があなたの子供を救います。読書によって言葉を覚え、深く考えられるようになります。

子供が自暴自棄になる時もあるでしょう。「こんな耳じゃなければ良かった」と言う時もあるでしょう。補聴器を恥ずかしがる時もあるでしょう。先生の理解が得られず、泣いて帰って来る時もあるでしょう。いじめられる事もあるかも知れない。――ですが、ご両親がどんな選択をされたとしても、お子様はまず間違いなくご両親に感謝する事でしょう。どうか十分な愛情を持って、接してあげてください。人生はかくも楽しく愛に満ちているのかと――私事で大変恐縮ですが、私自身、両親に本当に深く感謝しているのですから。

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